110周年記念

キャンプ里地里山

増岡組は、明治21年に広島県呉市で創立した増岡商店を前身とし、
明治41年から建設業を開始いたしました。
この度、創業110周年を迎えることができましたのは皆様のご指導の賜物と心より御礼申し上げます。
その感謝の気持ちから、平成30年6月5日より7日まで、広島市のランドマークでもあり、
弊社が建設に携わった広島東洋カープの本拠地マツダスタジアムに於いて、
未来の環境を考える「キャンプ里地・里山」を開催させていただきました。
ここでは、その様子を紹介させていただきます。

実施概要

実施日時
2018年6月5日(火)〜7日(木)10:00〜22:00
実施場所
MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島
屋内練習場歩行デッキ(里地ゾーン)
コンコースグッズショップ周辺(里山ゾーン)
来場者数
約6,000名(3日間合計)
実施目的
私たち増岡組は建設技術を基に「環境技術研究所」を設立し、生物多様性に関わる研究も進めています。創業110周年を迎えるこの節目に、次世代を担う子どもたちに同研究所を構成するビオトープに棲む生き物に触れてもらうことで、かつては身近にあった自然環境の大切さを伝えたいと考えました。この催しを、誰もが知るマツダスタジアムにおいて野球の試合日程に合わせて実施することで、より多くの方がに体験していただけることを目的に計画いたしました。

イベントロゴ 制作意図

中央には「里地」や「里山」を感じさせ、幸せや幸運のシンボルでもある「四葉のクローバー」をアクセントとし、周りに本イベントのコンテンツにちなんだ「メダカ」や「ホタル」のイラストをデザインし、体験意欲や期待感を醸成しました。そして、子供たちが楽しめる雰囲気のイベントであることをカラフルな色使いで表現しました。

里地ゾーン

「メダカ」を象徴種として昔ながらの農村風景を再現しました。
里地では、人の営みの中で、たくさんの生き物たちが一緒に暮らしていました。
ここでは田んぼやため池、草原などの場所を再現し、見たりさわったりして
里地を体験できるようにしました。

球場外にある屋内練習場歩行デッキに「里地ゾーン」は設営されました。

里地ゾーンの中心部、田畑やあぜ道の風景パネルの小窓を覗くと、その景色の環境下において暮らしている生き物が実際にいて説明パネルと一緒に見ながら学ぶことができる展示コーナー

メダカトンネル

底まで透けている長細い水槽内に小川の植物とともにメダカを放流し、
メダカの視線を体験できるコーナーです。

水槽の中はできるだけ自然に近い環境を整え、そこにメダカを放流していきます。大きな水槽の中でメダカが泳ぐ姿を側面からだけではなく、下からも見上げられるようにする遠出、自然の中で泳ぐ姿を観察できるようにしました。メダカは呉市の山中にある増岡組環境技術研究所(エコラボ)のビオトープに生息しています。

里地の生物展示

里地の風景写真を背景に田んぼやため池に生息する水生昆虫をはじめとする
里地の生き物を展示しました。

展示生物
キリギリス・ハグロトンボ(ヤゴ)・タニシ・タイコウチ・アメンボ・ミナミヌマエビ・ガムシ・アカハライモリ・トノサマガエル・ハンミョウ

田んぼの水の中に暮らす水生昆虫を生き物ごとに展示しました。ケースの中で隠れている生き物を探し出すのも楽しいですね。展示の中にはも最近では見かけない珍しい生き物たちの展示もあり子供はもちろん、大人も食い入るように観察しています。

田植え体験

ミニ田んぼやバケツ稲(田んぼバケツ)で
本物の稲を使った田植え体験が可能なスペースをつくりました。

日本人がほぼ毎日食べるお米を作るため、稲の苗を水田に植える作業が「田植え」です。この田植え作業を通して、自然そのものや日々の食べ物にも興味を持ってもらいたいと期待しています。

里地体験

ため池や草原、林を再現した展示型ビオトープです。
池には実際に触れ合えるよう、メダカ・アカハライモリ・おたまじゃくし・ヤゴ・スジエビと
いった水生生物を放し、その周りにカエル・イシガメ・カブトムシ・クワガタ・
チョウ・トンボ・バッタ・カタツムリ等の里山の生物を展示しました。

ビオトープとは生き物が群集している空間や場所のこと。自然の生態系に直接触れられる貴重な機会になりました。

セミナーコーナー

近隣の小学校や幼稚園の子どもたちを招待し、
展示の意義や展示生物をより理解してもらうためのセミナーを開催しました。

展示のほか、TVモニターを使って「メダカセミナー」も開催されました。増岡組のエコラボ天水地に生息する貴重な野生の「クロメダカ」についてなど、さらに詳しく学んでもらいました。

里山ゾーン

里山ゾーンは「蛍」を象徴種として、かつては身近にあった裏山を再現しました。
木を切ったり、落ち葉を集めたりという人との関わり合いで里山は守られてきました。
そこには綺麗な小川があり、ホタルが棲んでいます。
ここでは夜に光ってお話をするホタルの光を体験しました。
また「自然はすごい!!クイズラリー」コーナーを設け、カープグッズをプレゼントしました。

球場内コンコースのグッズショップ周辺に設営された里山ゾーン。裏山の生き物に出会うための入場口です。

里山ゾーンは裏山の森林や山間のきれいな小川を再現。里地とはまた違った「里山」で暮らす生き物や生態系を学べるエリアです。

里山の生物展示

山間のせせらぎを感じる風景写真を背景に、
裏山に生息する水生昆虫をはじめとする里山の生き物を展示しました。

展示生物
ゲンゴロウ・ニホンアカガエル・ヒラタクワガタ・カブトムシ・タガメ・オニヤンマ(ヤゴ)・シ・タガメ・オニヤンマ(ヤゴ)・スジシマドジョウ・テナガエビ・カワニナ・オヤニラミ

里山の大きな特徴はきれいな水辺を有していること。そのため水辺で産卵し生息する生き物が多く存在しています。展示生物は多くの大人が幼少期に触れたことのある生き物ばかり。初めて出会う子供は物珍しそうに、大人は懐かしい面持ちで生き物たちの展示をじっくりと観察しています。

ホタル対話

ホタルの転倒は仲間とのコミュニケーションです。
暗室のなかに本物のホタルを多数展示し、淡い光を体験していただきました。

ホタルの点灯は仲間とのコミュニケーションです。暗室の中に本物のホタルを多数展示し、淡い光を体験していただきました。きれいな水辺にしか生息しないホタル。ホタルが暮らすことのできる環境こそが理想の自然環境であると考えます。

クイズラリー

場内3箇所にクイズパネルを設け、クイズにお答えいただくと
カープと増岡組がコラボしたノベルティがあたるお楽しみも用意しました。

「キャンプ里地・里山」の展示でしっかりと学んで下さった方には簡単なクイズが3問出されるクイズラリー。カープと増岡組の珍しいコラボグッズをお目当てに各ブースには行列も。

終わりに

増岡組創業110周年記念イベント「キャンプ里地・里山」は
3日間で約6,000名ものご来場者を迎えることができ、大盛況の中、無事に終了いたしました。
ご来場いただいた皆様、またイベント開催にお力添えをいただきました皆様に心より御礼申し上げます。
私たち増岡組は、”建設に事業における自然環境との調和”を目的に
広島県呉市の森林に約78,000m2のビオトープを創り、
「増岡組環境技術研究所(エコラボ)」として様々な自然環境に関する研究や保全をおこなっています。
人も、建設も、生態系を構成するひとつとして捉え、
これからも環境技術の研究を進め、社会に提案してまいります。