嚴島神社大鳥居に掲げてある二面の扁額の修復工事を行いました。扁額は、黒と赤の漆が塗られ、金物には金箔が貼られています。正面(海側)には「嚴嶋神社」とあり、縁には龍の彫り物が施されています。また、背面(山側)には「伊都岐島神社」とあります。修復工事は、平成19年2月初旬の取り外し用足場の組立から始まり、2月5日に扁額の取り外し作業を行いました。取り外された扁額は、島内の作業場に於いて漆の塗り替え、銅版の金箔貼りの修復作業を行い、同年4月19日、元の位置への取付を完了しました。足場の組立、解体、扁額の取り外し、取付は、干潮時での作業でした。
また、扁額の漆塗り、金箔貼り作業は、温度、湿度が調整された作業所内で行いました。
-
施工前
-
扁額取り外し
-
扁額取り外し後
扁額仕上工事
塗装、漆塗り仕上げ
漆は通常のペンキと異なり、人毛製の硬質なハケで力を入れて塗り付けます。
温度が上がりすぎても乾かないため、室内の温度、湿度を調整しながら作業します。
-
正面
-
正面 縁に龍の彫物
-
背面
-
背面
金箔貼り仕上げ
約11cm角の金箔2000枚で2回貼りします。
-
正面
-
背面
-
漆接着(剥落止め)
-
金箔貼り(2回目)
-
綿で磨く
-
養生/完成した金物は、温度、湿度が調整された場所で養生、保管する。
修復前
-
正面「嚴嶋神社」
-
背面「伊都岐島神社」
修復完了
取付状況(4月19日)
-
人物との比較で、大鳥居の巨大さが分かります。
-
施工前
-
完成 正面
-
完成 背面
-
完成