プロジェクト 4
重要文化財 嚴島神社塔婆(五重塔)
災害復旧工事
塔の岡の上に立つ五重塔も、台風19号の強風により屋根の檜皮葺が部分的に剥脱したので、平成4年11月より損傷箇所の復旧工事に取り掛かりました。
最初に五重塔を取り囲むように足場を組み立て、檜皮葺屋根の破損箇所の葺き替えを行いましたが、同時に相輪が東側に傾いていることが判明したので、相輪金物を外し、心柱の継手部分の歪みを直し、補強を行いました。
また、相輪金物のうち、一部破損し修理が不可能な伏鉢は新調しました。地上10階のビルの高さにほぼ匹敵する木造建築物だけに、修理には足場の組立作業から細心の注意が要求されましたが、平成5年2月末、無事工事を終了しました。

檜皮葺破損箇所修理工事
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1.足場組立
1992年(平成4年)11月より着手。 -
2.檜皮葺破損箇所 剥取り撤去
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3.檜皮葺補修
1992年(平成4年)12月8日〜12月24日 -
4.檜皮葺部分補修
相輪修理工事
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1.調査
1992年(平成4年)12月3日
文化庁技官、及び文化財建造物保存技術協会の技師による調査。 -
2.神事
1992年(平成4年)12月11日
相輪金物取り外し前に、嚴島神社神官による神事が執り行われた。 -
3.取り外した相輪 金物保管
取り外した金物は全て倉庫に収納された。 -
4.伏鉢の破損状況調査
文化財建造物保存技術協会による調査。 -
5.五重の屋根上部の伏鉢
天文2年の製作で老朽化していた。 -
破損部分は修理不可能であったため新調した。 -
6.修理工事着手前
相輪は東側に少し傾いていた。 -
7.修理後の相輪
相輪金物は、錆を落とし塗装をして取り付けた。